2013年6月19日水曜日

ラウンドテーブル(円卓会議)に参加しました。

ラウンドテーブル(円卓会議)「快適な木の家で森も事業も再生する」に参加しました。


この円卓会議は、快適な木の家づくりを核とした森と街の直接連携によって、森林資源を活用した持続可能なビジネスを展開することを目的にしています。

この目的をもって森林資源に関わる人々、つまり、林業、製材所、工務店、建築家、大学、ジャーナリスト、プランニング会社、そして当社のようなペレットストーブ販売者が円卓を囲むように議論しています。(主催は「森街プロジェクト」です。)

私はこのプロジェクトの、あくまでも「ビジネスを展開」しようとする姿勢に共感しています。

法律に守ってもらおうとか、行政の補助金に頼ろうとか、これまでの民間事業者の依存体質はいいかげん辞めにしよう。そして、まず周りの森林資源が公共財だと自覚して、関わるみんなで共有して、そこから新たな価値を生み出してゆこう。
そんな試みであり、それこそが持続可能なビジネスへの価値になる、という考えです。

すると、やはり最後は「新たなコミュニケーション」の必要性の話にたどり着きます。
林業、製材所、工務店、建築家、大学、ジャーナリスト、プランニング会社、ペレットストーブ販売者、そして消費者が、それぞれの立場からしか森林資源のことを見ていない、ということ気がつきます。 

例えば、地方に住む私たちは、無自覚に「木の家っていいよね!」と言います。
しかし、都会育ちの大学生にとっては「何のこと?」となるわけです。なぜなら、彼らの「木のイメージ」は、割り箸や爪楊枝なのだから!
また、林業者はとにかく木を高く売ろう、と考えている。工務店はとにかく安い木材を手に入れようと考えている。だから自ずと外材に頼ることになるわけです。しかし、一度でも施主が日本の林業の現場を知ると、多少高くても国産材を、ということにもなる。金額だけの問題ではないわけです。

そろそろ、この日本に住む私たちが「想いを共有する」ということ、つまり本当のコミュニティが生まれても良いのではないか。時間はかかるかもしれませんが、それぞれの立場を知り、尊重し、謙虚に学ぶ姿勢を育む取り組みが、必要だと思っています。

いくら「国産材を使おう!」と業界や行政が旗を振ったって無駄です。そのときだけです。
違う立場の者が、その立場を超えて理解しようとするコミュニケーションの末にしか、進歩・発展はないのだと思います。


笹本貴之 / 笹本環境オフィス株式会社 代表取締役